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まちづくりコンテストの参加を経て

 まちづくりコンテストのプランを提出し、やっと一息がつけました。思い返すと、今夏の殆どの時間を、ゼミ生や西川先生と過ごしていたように思います。私のグループは、個性豊かでアイディア力のある人が多く、議論が煮詰まっても誰かが必ず打開策を提案し、どんどん前に進んでいくようなグループでした。皆の意見発信力、想像力、行動力に、いつも刺激をもらっていました。今年はコロナウイルスの影響でオンラインでの議論ではありましたが、毎日のように議論をすることで、皆の人柄や考え方を知ることが出来、仲も深まりました。今までになく忙しい夏でしたが、とても密度が濃い充実した時間を過ごすことが出来ました。このプランをこのメンバーで完成させることが出来て、本当に良かったです。そしてお忙しい中、私たちに何度も的確なアドバイスを下さった西川先生には、感謝してもきれません。本当にありがとうございました。



 まちづくりコンテストの対象地に設定した草加市は、コロナウイルスが流行する以前から、市民に市内観光を促す観光施策を掲げており、市内には魅力的な資源が多く存在していました。一方で、まだ住民に十分に認識されていない資源も多く見受けられました。コンテストのプランでは、それらの資源の魅力を住民へ伝え、住民自らの手によるまちづくりを促す新しい取り組みを提案できるように努めました。今回、メンバーの中に草加市出身者は一人もおらず、外部から草加市のまちづくりを考えるという形だったので、住民の方の意思を尊重したプラン作成を常に心がけていました。「どうしたら住民の方が参加したくなるのか」「この資源が住民の方にとって魅力的であると説明するにはどうすればいいのか」など、提出日直前まで試行錯誤を重ねたことも、良い思い出です。他のゼミ生も書いている通り、1つの地域に対してこれほど真剣に向き合ったことは初めてで、「まちづくりとは何か」「観光の新しい在り方とは何か」など、様々なことを考えさせられました。草加市のような大都市近郊区間に位置する都市は、住居としての役割が大きいため、そうした場所で観光をすることに違和感を覚える方はきっと多いでしょう。しかし、住み慣れた土地であっても、知らなかった景色や取り組みは多く存在しており、それらを楽しむことで、新たな地域の良さに気づくことが出来ます。1年次の観光学部の授業の中で、「観光とは国の光を見ること」であると知りました。地域の良さに気づくことは、「地域の中に光を見ること」であり、一種の観光の形であると言えるのではないでしょうか。地域の良さは、住民の方と外部の人間の二つの立場から考えることで、発見することが出来ます。外部の人間として私の考えた草加市の一番の魅力とは、まちづくりに積極的に参加する方が大勢いるところでした。ヒアリング調査や草加市訪問を通じて、リノベーション事業に積極的に取り組む方や、綾瀬川の和舟体験をボランティアでお手伝いされている方など、地域のために積極的に活動されている方と接する機会が多くありました。春学期に、西川先生が「まちづくりはひとづくり」と仰っていましたが、草加市の方々は正にそれを表していると感じました。今回草加市を訪問したことで、草加市の観光事業に携わる様々な方々と交流することが出来ました。このご縁をここで終わらせることなく、今後も繋いでいけたらと思います。



 まちづくりコンテストに参加したことで、観光の在り方について考えただけでなく、自分自身の長所と短所に気づくことも出来ました。今後のゼミ活動や大学生活を通して、長所を伸ばし、短所を改善しながら人間力を上げることを目指します。そして、新しい観光の在り方について議論しながら、私自身がどのように観光事業やまちづくりにも参加していくべきなのかについても、考えていこうと思います。

H.N


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