Nishikawa Lab., College of Tourism, Rikkyo University
Community Based Tourism, Tourism Policy, and Urban Planning
第3回小川町PJ
2021年4月に行われた第3回小川町PJは、緊急事態宣言が明け、ようやく小川町への訪問が叶いました。オンラインで各自で作業をしてきた和紙の原料となる楮を持参し、皆で紙すき体験を行いました。
また、午後にはボランティアガイドさんに案内いただき、小川町中心部のまちを巡りました。
参加したゼミ生の感想
先日は、小川町を訪問させていただきたくさんの学びや経験を得ることができました。事前の準備から当日の様々なアレンジまで大変お世話になり、心から感謝しております。
当日の集合場所が駅前の観光案内所で、きれいでかわいらしい建物であったのが正直びっくりしました。その後、この案内所は今月に入って移転したばかりの新しい施設であることを知り、小川町の観光がまさに今から案内所を出発点に盛り上がっていのだろうと、とてもわくわくしました。私たちもその一端をこれからご一緒に担っていけたらと思います。
午前中は和紙体験学習センターへうかがい、センターの見学と和紙漉きの体験をさせていただきました。これまでオンライン上でした見ることのできなかった場所にやっとリアルで訪問することができて、とても興奮しました。訪問の前にその場所の情報を知っているか知らないかでは、実際に訪れた際の心の動きが大きく違ってくるのではないかと身に染みて実感し、その観光体験はこれからのプロジェクトにも活かしていけるのではないかと考えました。和紙漉き体験も、ただその場で漉く体験をするだけでなく、事前に準備しておいた材料を各自で持ち寄ってそれを一つにまとめて、最後まで形にする、という工程がとてもわくわくしました。こういった伝統工芸品をつくる過程を体験したのは初めてだったので、なんだか不思議な感覚になり、「またやりたい!」と思えたことが大きな収穫だったように思います。知る→体験する→さらに深く知る→さらに深く関わる、といったようなサイクルをつくっていくことが重要なのではないかと考えました。
センターの建物自体もかなり興味深く、一度こわしてしまうともう同じものは建てられないということを知ったため、残していきたいという思いが強くなりました。このセンターを観光の施設ではなく工房としての利用を中心にしていく方向性だということをうかがい、小川町としては和紙をこれからも産業として持続・発展させていきたいという思いが強いことを感じました。陳腐な観光アトラクションとしての和紙ではなく伝統にもとづいた産業としての和紙をどうこれからの時代に価値を見出していくのかが、私たちの大きな課題であると勝手ながら感じました。もっとより深く小川町のことも和紙のことも学んでいきつつ、今後のプロジェクトを推進していきたいと思います。
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先日はお忙しい中、大変お世話になりました。昼やキャンプ場での食事の手配までしてくださりありがとうございました。久しぶりに外でご飯を食べることができ、楽しませていただきました。
これまではオンライン上での活動でしたが、今回は初めてゼミ生たちと現地を訪れることができました。午前中の和紙作り体験ではこれまでの作業の最終形として紙漉き体験をさせて頂きました。実際に自分の体を使って行うことで分かったことがたくさんありました。水をすくう作業はずっしりと手に負担がかかること、すくう角度やスピード感の重要さ… 私は全くうまくいきませんでした。完成した私の和紙はしわが寄っていて職人さんたちがつくるようなきれいなものとは程遠いものでしたが、それも1つの面白さだなと感じました。自分の手で作ったものはやはり愛着がわきます。今回、工房で作業させてもらい、現地の雰囲気、水の音、匂いを感じながら和紙作りの奥深さを体感できたように思えます。長い年月をかけて職人さんたちが技術を身に着けていく大変さ、すばらしさをほんの一部ではありますが、自分の体で理解できました。
その後、センターの中を案内してもらいました。特に私は小学生が和紙で作った地球儀が印象に残りました。地域の伝統産業を小さなころから学校や町中で自然に触れられる環境はすてきだなと思います。街の歴史や文化を学ぶとなるとどうしても堅苦しく、退屈なものに感じる人もいると思います。祭りや地球儀の例のようなところから自然と学べる環境は大事だと感じました。また、和紙にも雲龍紙などバリエーションがあることや、近年の新たな取り組みについても教えて頂きました。和紙作りに加え、小川町の全体のことをより深く学んだうえで何か私も考えられることができたらなと思います。
午後は街歩き案内をして頂きました。特に印象的だったのは文化財登録されていない石碑があったり、歴史的に重要な建物を紹介してもらったことです。地盤が固く自然や歴史ある町でありながら、そういった隠れた魅力のようなものが小川町にはたくさんあるのだと知りました。ガイドさんは私たちに丁寧に解説してくださり、大変勉強になりました。また、万葉集の学僧の話、ヤオコーやしまむらの話など、小川町はさまざまなもののスタート地点、要なのだと思いました。それは小川という街の歴史や成り立ちも関係していると思うので自分でも色々調べてみたい、学んでいきたいと思いました。
自己紹介でも軽くふれましたが、私は高崎への帰省の際、小川町を経由するため1年生の頃から何度か訪問していました。槻川周辺の環境や山に囲まれ自然豊かな点、歴史がある町で非常に魅力に感じていました。昨年の夏の繋がりをきっかけにこのような機会を頂けて非常にうれしいです。五十嵐さんをはじめとしたおいでなせえ小川町の皆さん、ありがとうございます。
これからもたくさん小川町に関して勉強させて頂きたいです。今後ともよろしくお願い致します。
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先日はやっと小川町にゼミのみんなで足を運ぶことができ、とても嬉しかったです。様々な準備をしてくださり、本当にありがとうございました。
紙漉きをするのは初めてで、すごく印象に残りました。職人さんが紙を漉いている様子を見ると簡単そうに見えましたが、実際にやってみると全然簡単ではなく、とても気遣いのいる繊細な作業だと実感しました。たった2枚和紙を作るだけでも大変だったので、何十枚、何百枚もの和紙を均一な厚さで漉くことのできる職人さんの凄さがよく分かりました。「細川紙を漉けるようになるまで15年」という言葉の意味を今まで以上に体感できました。紙を漉く職人さん以外にも、簀を作る職人さんがいたり、ハケを作る職人さんがいたりと、多くの人々が関わっていると知り、一枚一枚の和紙に込められている人々の想いが感じられました。第1回目の時に送っていただいて、加湿器に当てたりもした木の枝が、このような立派な和紙になり嬉しいです。大切に保管しておこうと思います。
施設内に展示されていた、和紙を使って作られた作品は本当に色々なものがあり、見ていて楽しかったです。和紙の見た目や材質を活かして、自分では思い付かないようなものを作っている方もいることが分かり、面白いなと思いました。ほかにも和紙を使って何か作ることができそうな気がするので、おもしろいアイデアを考えてみたいです。
お昼ごはんの後はガイドの方に小川町のいろいろな場所を紹介していただきながらまち歩きをし、沢山の学びを得られました。以前、いつくんと初めて小川町に行った際は、観光案内所に寄ってから和紙体験学習センターと槻川沿いまで歩いた後、駅前でおからドーナツを買って隣の駅のほうへ山登りに行ってしまいました。小川町にいたのはほんの30分程度で、観光学部なのに楽しみ方を見つけられなかったと2人で悲しんだ覚えがあります。ですが今回は、以前訪問した際には着目できなかった建物や、その場所の歴史について知り、以前より小川町に詳しくなることができて嬉しかったです。ガイドの方々はボランティアで案内をしてくださっていると聞き、小川町への愛を感じられました。自分も将来、おじいさんになったときにある街に対してそれくらい愛情を持って関わりたいと思いました。
僕は将来やってみたいことが色々あって、将来の目標や夢がまだはっきりとは決められておらず、最近はエンタメ関係や映画関係の仕事に興味があります。以前から、日本の文化をたくさんの人に伝えたり、海外の人にももっともっと広めていく仕事にも興味があったのですが、最近はそれよりも他のことへの興味のほうが強くなっていました。ですが今回、実際に和紙漉きを体験してみて、今まで以上に日本の文化に関わる仕事に興味が湧いてきました。どのような仕事やどのような関わり方があるのか、もっと調べてみようと思います。
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本日は、お忙しい中、素敵な1日を用意していただき、ありがとうございました。本当に楽しくて、今日小川町に来ることができてよかったと心から思いました。食事の用意や、車での送迎までありがとうございます。
今日はまさに五感を使って小川町を感じることができました。まず、和紙学習センターにて、紙漉き体験をしました。和紙体験学習センターでは、しんとした中に職人さんの紙を漉く水の音だけが響いている工房の音や、乾いた紙を剥がす時のペリペリとした音など、音からオンラインでは感じられない空気感を感じることができました。
捨て水をするタイミングや、平衡感覚、すき終わった紙を一枚一枚まっすぐ重ねていくところ、紙を乾かすために、重ねた紙を一枚一枚剥がすところなど視覚も指先の感覚も全て使って、一定の厚さの紙にすることは、とても難しく、15年間の修行の重みを感じることができました。自分で楮から作った和紙は宝物です。
センター内では、様々な方法で活用された和紙が展示されていました。卒業証書など、様々なところで和紙が使われることで、和紙や小川町の文化や歴史を、小川町の方は身近に感じることができるのだと思いました。自分の地元には、歴史的なお寺や場所はあっても、普段から活用できるような工芸品はないので、あまり歴史を身近に感じることが出来ず、町自体に興味を持つことが難しいと感じます。伝統工芸品が、まちの魅力としてあるのは、身近に活用できる点で強みだなと感じました。
午後のまちあるきでは、菅田さんに案内していただきました。自分1人で何も知らずに歩けば、通りすぎてしまう場所も、歴史をよく知っているガイドさんと一緒に歩くと、たくさんの発見があって、とても面白かったです。今までなんだろうと思っていた石蔵がサテライトオフィスになるということを知れたり、なんの変哲もない駐車場がヤオコーの場所だったりと、同じ場所の見方が自分の中で変わっていくことに面白さを感じました。これからもっとそんな場所が増えていくと思うので、とても楽しみです!
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昨日はお忙しい中、私たちのために準備をしていただき、小川町を案内していただき本当にありがとうございました。
私は初めて紙漉き体験をしたのですが、何より楽しかったです!
何かを作ることがもともと好きで最近は特にものづくりに興味があるので、本当に幸せな時間でした。
1つ1つの作業は見ていてイメトレしている間は単純そうに見えたのですが、実際にやってみると全くそんなことはなく、動作の細かなタイミングやバランス、程度などが絶妙に合わないと美しい紙は作れないのだと実感しました。
簡単には言えないと思いますが、紙漉き職人になるまで最低でも15年程かかる理由が、勝手ながら少しわかったような気がしました。
パルプ製や海外製品など私たちの生活では、どこでも買える安い紙が主流、中心となっています。
その中でこの手漉き和紙が残っていくためには、パルプなどの安い紙と並んで、商品として「紙」として消費者にとって魅力的なものである必要があるのかなと思います。
買う人にどうやったら手漉きの価値、小川和紙の、小川町でつくられるからこその価値を伝え、感じてもらうことができるのだろう、どのように伝えたら小川和紙に興味を持ってもらえるのか、探っていきたいと思います。
「紙」という「モノ」を見たとき触れたときに、その和紙ができるストーリーや背景などを知る、感じることのできるきっかけを私たちが作れたらなぁと思いました。「モノ」単体ではなく、それができるまでのストーリー自体を届けられたらいいなと思いました。
和紙作りにおいて、一つ一つの工程に様々な人が関わっていると学びました。
例えば、和紙を漉くための竹の道具を作る職人さんがいること。
それぞれの工程にそれに関わる人々のストーリーがあって、それが線のように繋がり一枚の紙ができると知りました。
先述した竹の道具を作る職人さんは小川町にはもういらっしゃらないから、外から持ってきているとお聞きしました。
和紙作りの工程における背景?が変化することで、これまで和紙作りが小川町で完結していたときよりも、小川和紙は小川和紙でも微妙に何かが変化していて、これからも変化していくのだろうかと思いました。一つの工程における小さな変化は、和紙作りにおいてどのように影響してくるのだろうと、もっと知りたくなりました。
また、どうして手漉き和紙を残す必要があるのか?という問いがありました。
人が一からつくるものは機械では出せない味や温かみがあって、そのようなものがなくなくなるのは、全部が一緒でつまらなくて、無機質で寂しい世の中になると思いますし、
また、小川町の手漉き和紙が残っていくことは、まちが残っていくことになるのではないかと思いました。
かつて小川町では川で黒皮が落とされ、完成した和紙が通りを通って江戸へ運ばれていたとお聞きしました。
川は川でも、道路は道路でもそこに人の営みがあって、その土地に住む人と川や道路を今でも繋ぐのが和紙作りであり、和紙作りという文化があって現在のまち自体やまちの雰囲気、人々の生活などがあるのだと思います。
手漉き和紙が残されず、過去のものになることは、受け継がれてきた小川町の文化や歴史、雰囲気が過去のもの、化石のように動かないものになってしまって過去と今で分断されてしまうのではないかと感じます。
だから、手漉きの和紙作りを過去のものにせず、残していく必要があるのではないかと私は思いました。
ですが、私は小川町について、小川和紙について知らないこと、知りたいことだらけなので、これから沢山学んでいきたいです。
次回訪れたときは、小川町内で小川和紙を販売しているお店など、和紙作りに関わる場所を巡って昨日の工房で作られていた和紙はどんな風に商品として販売されているのか、その過程を追ってみていきたいです。
このような状況においても、小川町という地域に関わることができ、本当に嬉しく思います。
おいでなせの素敵な方々を始めとした小川町の方々との出会いに感謝しながら、今後も精一杯取り組んでまいります。
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今回は、1月からオンラインで各自作業してきた紙の材料を使って紙漉き体験をさせていただきました。初めに職人さんが漉いているのを見て、自分もこんな風にできるかなと考えていましたが、いざやってみると水をすくう勢いや角度、左右への揺らし方などとても難しいということが分かりました。自分のものはしわが入ってしまったり、厚さが一様にならなかったりと見本のようには漉けませんでした。細川紙を漉けるようになるまで15年かかるというのも納得できました。しかし、そんな自分の和紙も出来上がってみるととても味があるように感じられて愛着が湧きました。実際に工房で体験してみて、漉くときに水がちゃぽちゃぽ響く音や、乾かした紙を剝がすときのぺりぺりという音などオンラインではなかなか体感できないことも感じられ、印象に強く残りました。
昼食後にはまちあるきもしました。ガイドさんの案内で蔵や割烹の話やヤオコー創業の地など、2月にふーがと行った際には全然気づくことができなかったことを知ることができ大変勉強になりました。これから小川町に深く関われるように地形や歴史、周辺地域との関わりなど自分たちでももっと勉強していきたいと思います。
また、施設内の案内をしていただいているときに「なぜ和紙を残すのか」という話がありました。確かに和紙を使う人口は減ってしまっているし、観光目的で残すというのも限界があると思うし、なぜここまでの手間をかけて残す必要があるのかと訊かれると難しいと思いました。しかし、この日1日小川町で過ごしてみて、「和紙を残そうとする人の熱意や活動」は「和紙そのもの」と同じくらい価値のある魅力で、これこそが小川町を支えていく燃料の1つなのかなと感じました。だから活気ある小川町を存続させるためにも和紙作りを残していく意味があるのかなと思いました。(うまく言葉にできずすみません)この問いについてはまだまだ議論していきたいことなので、もっと深く小川町を理解してみんなと考えていきたいです。
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先日はお忙しい中、紙漉き体験や町内のまちあるき等、素敵な1日を企画して下さり、誠にありがとうございました。私自身は、自己紹介でも触れさせて頂いたように、留学準備等の関係で小川町の皆様とは初の顔合わせだったのですが、温かく迎えて下さり、楽しい1日を過ごすことが出来ました。
午前中に和紙体験学習センターで行った紙漉きは、小学生の頃に一度体験したことがあったのですが、家で木を茹でる工程から準備してきたお手製の紙料を使ったため、以前よりも思い入れがありました。皆が一から作った紙料が一つになって、和紙が出来上がるというのは感慨深いもので、水をすくうタイミングや揺らし方によって出来上がりが異なり、一人一人の個性が出ていて素敵でした。普段使っているノートやルーズリーフは全て平らで真っ白でつやつやとしていて書きやすいけれど、一つとして同じものがない和紙もまた趣があって面白いと思いました。館内案内で紹介して頂いた雲龍紙や七夕紙のように、紙を漉く工程に一工夫二工夫することで、同じ和紙でも様相が全く異なる点も魅力的でした。体験を通しては、和紙や楮の放つ独特の柔らかい香りや、紙を漉く際に立つ水の音で五感が刺激され、「実際に自分が体験すること」の価値を実感することが出来ました。職人の方の作業を傍で見ていると、とても慣れた手つきで簡単そうに思えたのですが、いざ自分で紙を漉こうとすると、すくう水の量が多すぎたり少なすぎたりして、厚さが均等ではなくなってしまい、薄く、滑らかな細川和紙を生み出す職人の方々の技術がいかに高いかということがよくわかりました。また、職人の方々は私たちが漉いたものの2~3倍の大きさの紙を漉いているというお話や、第一線で活躍される方の中には80歳を超える方もいらっしゃるというお話から、こうした伝統技術を引き継いでいくため、日々練習を重ね経験を積むことの重要性を感じました。今後の課題としては、お話の中でもあったように「なぜ和紙を後世に伝えていかなくてはならないのか」について考え、その価値を町民全体に共有して、後継者を育成していくということが挙げられると思います。ユネスコ無形文化遺産である細川和紙は、製造に手間暇がかかる分上質であることや、生活・文化に根差した古くからの営みであること、現在の小川町を築いた産業であること等、目に見える尺度では図り切れない価値を有しています。そうした価値は、日常生活を送る中では一見無意味に思えるかもしれないけれど、脈々と受け継がれてきた小川町のアイデンティティであり、小川町で暮らす人々のアイデンティティでもあるのかなと思います。私の地元には、今に伝わる歴史ある産業がないので、それを有するこの町がとても羨ましいし、誇るべきことだと感じます。今後の活動を通じて、その価値を小川町の町民の方は勿論のこと、周辺地域の方々にも広めて良ければと考えています。
午後に行った小川町のまちあるきでは、歴史ある建物や、のどかな風景にやすらぎを感じました。ガイドを担当して下さった方々の地元愛もひしひしと伝わってきて、小川町が住民に愛されていることを強く実感しました。その土地の歴史や、著名な人物の名前・行いを結び付けながら説明して下さり、とてもわかりやすかったです。特に、槻川を土手の上から眺めた時の風景を鮮明に覚えていて、江戸時代の人々はこの川の畔で紙を水にさらして和紙を作っていたのかな、と思いを巡らせていました。今後のプロジェクトでは、ただ和紙の魅力を広めるのではなく、町内の歴史や、和紙製造業発展の歴史の理解促進とも関連させた取り組みが出来ればいいなと思います。
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午前中は和紙体験学習センターで紙すき体験・施設見学を行いました。紙すきの作業場を訪れると、職人さんが真剣に紙すきの作業を行っていました。ひとつひとつの音が静寂した作業場に響き渡り、場の緊張感を感じることができました。実際に自分たちが用意してきた紙料を混ぜ合わせ、紙すきを行いました。今回は溜漉きを実践しましたが、繊維がまとまっていたり色が違ったり本当に綺麗な和紙ができるか不安でした。しかし、出来上がった和紙は思っていたよりも綺麗に出来上がっていて良かったです。空にかざすと固まった紙料の繊維がすけて良い味になっていました。紙すき体験では、漉き舟を左右水平に動かすのが難しかったです。少しでも力が強かったり、水の入れ方が違ったりすると繊維がよれてしまうので、感覚がとても重要だと思いました。また、紙干しでは1枚1枚剥がすのに時間がかかり、(職人さん曰く)トラブルも発生したので苦戦しました。このような芸術的作業はそれぞれの性格が出て、とても面白かったです。職人さんは失敗しても「個性がある和紙になる」「面白い」「楽しい」などポジティブに捉えていて、どのような和紙であってもそれが個性であり悪いものはないという考え方がとても素敵だと思いました。
和紙体験学習センターは戦前から建てられているということで、入り口からタイムスリップしたような感覚に陥りました。昭和感溢れる床、壁、天井、中庭、窓、なにもかもノスタルジーが溢れる建築でこれからも大切に保存し続けていただきたい建物だと強く思いました。和紙の種類を紹介してくださいましたが、作り方でいろいろな模様やデザインができ和紙の奥深さを感じました。個人的に落水紙が好みでした。また、和紙で作った竜や鬼瓦などさまざまな作品を紹介していただきました。やはり和紙は高価であり、芸術として利用されることが多いので、反対に身近なものとして人々が手にしやすい何かを提案してみたいです。また、今まで和紙作りは男性が行う印象があったのですが、ほとんどの工程は女性が行っている女性の仕事だということ知り、衝撃を受けました。昔は今よりも寒く環境の悪い中で作業を行っていたと思うと、確かに和紙が家業の家には嫁ぐなと言われていたのも納得がいきました。
午後はまちあるきを行いました。今回は事前に用意した白地図を辿ってまちあるきができたので良かったです。ガイドをしてくださった菅田さん、ありがとうございました!戦争の影響を受けなかった小川町は、普段歩くまちでは見ることができない昔ながらの街並みでした。(しまむらとヤオコーは小川町が発祥ということでしたが、しまむらは私の実家山梨県が発祥と聞いていたので驚きました笑!)また、最後の方で見た石碑や徳川家の家紋を持つ神社が印象的でした。菅田さん曰く小川町は正式登録していないが、重要文化財になるような資源がいろいろあると仰っていたので、ミステリアスでもっと小川町を巡ってみたいです。菅田さんが最後に小川町は決して目立とうとしない街、伝統を地道に守り受け継いでいる街と仰っていて、このまちあるきで少しでも小川町の性格を知ることができたのかなと思います。
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やっとずっとみんなで行きたかった小川町を訪問することが出来ました。とても嬉しかったです。
これまでオンラインで進めてきた和紙作りがとうとう最終作業でした。持ち合わせた楮は、最初みんなに同じだけの材料が与えられたはずなのに、量も様々で盛り上がりました。和紙すき体験は、職人の方がやっているのをみてみると自分にも出来そう!と思うのですが全然上手く出来ませんでした。季節による変化や楮の関係を加味して、紙の厚さが全て均等になるように、何百枚も紙をすく技術がどれほどすごいのか、体感して少し分かりました。
みんなが手塩にかけてつくってきた材料がひとつになったと思うと不格好な和紙もとても素敵だなと感じました。
無形文化というものは、人の手によって受け継がれていき、それが途絶えてしまえばなくなってしまいます。そこにはその文化を大切にして守ろうとしてきたたくさんの人達のあつい思いがあり、時代とともに様々なものが変化してもそこは変わらないのだと思いました。和紙作りの説明のなかで、水が命のようなもので無くなってしまっては和紙をつくれなくなってしまうというお話がありました。無形文化は形としてみてるものとそうでないものとどちらもないと成り立たないものなのだと分かりました。もっと小川町の歴史にしついて知り、小川町にとって和紙とはどのような存在なのか知りたくなりました。
卒業証書に和紙が使われているなど街の人に大切されてきた文化を肌で感じた一日でした。
余談ですが、楮が1年に4mも伸びるということを知りすごく驚きました。私も楮パワー欲しいです笑。次から料理?で楮の可能性や楽しみ方を広げることが出来るかワクワクしています。型にはまらない発想をめざします。
まちガイドは3年の研修期間をへて、1代目の方が立ち上げ、2代目の方に引き継がれたと知りました。他の地域から学び小川町をどのように紹介するか考えたというお話を聞き、まちへの愛情がこのように行動となること、まさにひとづくりはまちづくりなのだと再認識しました。
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初めて降り立った小川町。想像以上に素敵な雰囲気流れる場所でこれからの活動に対するワクワク感が増し増しでした。
体験センターに到着すると、以前zoomで先生が中継してくださった風景がそのまま見れてまたまたテンションが上がりました。オンライン観光?のいいところはその後に改めてその場所を訪れるところにあるではないかと改めて実感。
紙漉き体験はすごく難しく、職人さんの偉大さを肌で感じました。職人の方が紙漉きをしている姿いざ目の前にすると、作業場一体が神聖な雰囲気に包まれとても心地よかったです。木と木が当たる音、それに伴い聞こえる水の音。訪れているからこそ知ることのできる魅力を発見できて幸せな気持ちになれました。私はAチームとして体験に臨みました。その中でも最初の挑戦だったのでかなり緊張しましたが、1回目を終えたところでアドバイスをいただき2回目にチャレンジしました。緊張と相まってか、ゆっくり丁寧に作業をしてしまったため手前の方の紙が厚くなってしまったとのことでした。いただいたアドバイス踏まえて丁寧かつスピーディーを意識すると1回目より格段に上手に紙を漉くことができました。体験前は回数を重ねると上手くなるというイメージができなかったのですが、失敗には必ず原因があって意識すると綺麗な和紙ができることを実際に経験できました。次に挑戦する機会があったら綺麗な捨て水ができるように練習してから行きたいと思います。
体験センターでは和紙の魅力を存分に感じることができました。材料から制作まで手作りである和紙の作品だからこそ出る味わいがとても素敵だなと思いました。鬼がわらで作られた菓子入れなどの思いつかないような発想に驚かされました。金額が高いとのことでしたが、そのままの価格にして国同士のおもてなしの場など高級志向のお客様を顧客層にしてもいいのかなと思いました。
小川町を歩き、歴史的建造物を現在も有効活用しているという感想をもちました。体験センターの方のお話を聞いていると老朽化でとにかく雨漏りがすごいとのことだったので歴史的価値は残しつつ、修復していくという取り組みの大切さを感じました。世界遺産に認定されている寺院は定期的に修復が行われているが、そうではない修復が負担になってしまうような地域、建物に対するアプローチ例を知りたいと感じました。
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コロナ禍でオンラインでの活動が続いた中で、ようやく実際に小川町を訪問することができ、とても嬉しかったです。私たちのためにたくさんの準備をしていただき、本当にありがとうございました。
午前中はまず、今までオンラインで進めてきた和紙づくりの最終工程である紙漉きと、乾燥の工程をやらせていただきました。第一に、自分たちで仕上げた楮の皮と水、そしてトロロアオイを一緒に攪拌していただいた工程で、なかなか楮の繊維が混ざりきらず、皮を叩いて繊維をほぐす工程がいかに足りていなかったのかということを実感しました。また、その後の紙漉きについても、教わっている限りでは簡単そうに思えても、実際にやってみるととても難しく、教えてくださった職人さんの技術の凄さを改めて感じました。次の工程の感想についても同様に、職人さんのやったものと自分たちのやったものには大きな差があり、和紙づくりの難しさや大変さを身をもって実感した一日でした。
和紙をつくるのはとても難しく、完成した和紙は職人さんのつくる和紙とは程遠いものでしたが、それでも、和紙を一から完成させることができた達成感を感じることができました。また、ただ和紙について学ぶだけでなく、大変さを実感しながら実際に体験し、和紙作りの工程も一緒に学んだことで、自分のつくった和紙に愛着も生まれ、和紙そのものへの興味も大きくなりました。和紙を観光やまちづくりに活かしていくためには、このように和紙そのものの魅力を伝えるだけでなく、その背景や歴史はもちろん、つくる過程やその大変さも一緒に伝えることがより効果的なのではないかと改めて感じました。
また、午前中は和紙センター内の案内もしていただきました。和紙で作られたものがいくつも展示されていましたが、どれも素敵なものばかりでした。ですがその分、値段も高いという話を聞きました。購入してもらうことはもちろん重要ですが、それだけでなくもっと気軽に和紙文化に触れる機会をつくる必要があると感じました。
午後は、ガイドの方と一緒にまちあるきをしました。ガイドの方から聞く話は、知らなかったことばかりでとても面白く、学ぶことも多くありました。目を付けるところも、自分ひとりでまちあるきしていたら見逃してしまうだろうなと思うことばかりで、とても貴重な時間でした。