僕もこの夏に観光まちづくりコンテストに参加しました。正直、最初は「夏休みも仲間と楽しく話せればいいな」程度の気持ちで参加を決めました。しかし、現実はそう甘いものではなく、新型コロナウイルス流行の影響でメンバーが対面で集まることができない中で議論も思うように進まず、一時はコンテスト出場を断念したときもありました。あの時、もう一度やってみようと声をかけてくれた仲間や支えてくれた先生にはとても感謝しています。おかげで、一生もののすごく大きな経験が積めたと感じています。
僕たちのチームは、大学のキャンパスがある新座市を舞台にプランを考えました。1年間通っていたまちにも関わらず、新座のことを全然知らなかったということに準備の過程で気づきました。新座の魅力はなんなのか、それをどのようにして活かすのか、1つのまちについてここまで調べ、考え抜いたのは初めてでした。プラン提出前ラスト1週間は寝ても覚めても新座のことを考えていたような気がします。こうして完成したプランは、みんなの徹夜と新座への気持ちの結晶がふんだんに盛り込まれたおもしろいものとなりました。
中でも僕がおもしろいと思っているのは、新座に通う大学生が学年を追うごとに新座を「知り」、「創り」、「想い」、新座愛と共に卒業していくというストーリーです。入学当初は観光客視点でしかまちを観られなかった大学生は、卒業するころには地域住民視点も兼ね備えたまちの観方ができるようになります。僕はこの「地域住民視点を持った観光」が新たな観光の形になり得ると考えます。昨年までの日本では京都や鎌倉などの人気観光地でオーバーツーリズムが発生していました。そして、今年になってからは他県から訪れた観光客がコロナ感染リスクを考えない行動をして地元住民に不安を与えるなどといった問題が起きています。僕は、従来の地域のことを考えない消費型の観光の時代はもう終わりにするべきだと考えます。新型コロナウイルス流行によって多くの人がこれからの観光のあり方について模索している中で、僕たちがリーダーとなって新たな観光スタイルを確立していければいいなと思います。そして、地域住民視点を持った観光客が増えて世界中の至る所でまちを「想う」観光がされるようになれば素敵だなと思いました。
I.S
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